diary2014

2011年の出来事

放射線を無知なままに恐れるべからず、あなどらず、かつ冷静な対応を!

福島県の東京電力福島原子力発電所で原発事故が起きていることが、大きく報じられています。
被災地の方々のみならず、日本では今、放射線被ばくについて、不安が強まっています。
しかし不安の要因は、放射線被ばくが人体に与える健康被害について、十分な知識を持っていないからでもあります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災。マグニチュード9.0という大地震と津波による大災害の現実に対して、被害者の救出が全力で行われています。
一方で、福島県の東京電力福島原子力発電所で放射性物質の放出という深刻な事態が発生しました。
この原発事故は現在まで、大きく報じられていますし、今回も早期に避難勧告が出されています。

「シーベルト」とは何か?
2011年3月12日、13時に原発の敷地境界で1015μSv(マイクロシーベルト)/hの放射線量が計測され、放射性物質が放出されたことが発表されました。
そもそもSv(シーベルト/線量当量)という言葉自体、なじみがなかった人も少なくないでしょう。
これは、人体への放射線の影響を考慮して設定された線量を示す単位です。
通常、放射線の量はμSv(マイクロシーベルト)やmSv(ミリシーベルト)の単位が使われます。
1Sv=1000mSv=100万μSvです。
Svは、呼吸線量に放射線荷重係数をかけ合せた係数を示しているので、数値としては長期的な影響を指標としています。
1シーベルト(1000mSv)は、通常のX線1グレイ(Gy:呼吸線量。
物質や生体に吸収された物理的な放射線の量)にあたります。

放射線障害防止法などの法令が定める一般人の年間の被曝線量の限度は1000μSv(=1mSv)とされているので、1mSvはたしかに大きな線量です。
なお医療従事者や原発従業員などの職業被ばくの年間線量限度は、最大50mSv(100mSv/5年)となっています。

放射線障害防止法による安全規制(文部科学省)

「通常でも日本人1人の平均被ばく量は年間約5mSv(5000μSv)弱」
そもそも放射線とは何か。広義には「電磁波」です。
長波、中波、短波などあり、その中でも紫外線より波長が短く(突き抜ける能力が高く)、電離作用を引き起こし、人体に悪影響を与えるX線やガンマー線などの放射線のことを通常は「放射線」と呼び、
この放射線を出す能力を放射能、放射能を持つ物質を放射性物質と呼びます。
そして放射線とひと口に言っても、大別すれば「自然放射線」と「人工放射線」に分けられます。
さらに放射線を体外から浴びると「外部被ばく」、経口摂取(放射性物質が含まれる水や穀物、
肉、牛乳等の食物を介して、放射性物質を体内に取り込むこと)や吸入によるものを「内部被ばく」といいます。
まず、人類が宇宙や大地から受けるのが、自然放射線です。
例えばラジウムは気体状のラドンに変化して放射線を出すが、人間はこの空気中のラドンの吸入により、年間1人あたり世界平均で1.3mSvの内部被ばくを受けています。
さらに、東京─ニューヨーク間を航空機で往復すると、宇宙からの放射線が多くなり、1往復あたり0.19mSvの被ばくを受けると言われています。
そして人工放射線は人工的に作られた放射線の総称です。
これには医療用X線検査やがん治療に使われている放射線、核実験で発生した核反応生成物のフォールアウト(一般に「死の灰」として知られる放射性降下物)からの放射線、
原子力発電の際に生じる放射線、工業や農業の分野で使用されている放射線などがあります。

では通常、日本人が1年で受ける平均的な放射線量はどれくらいなのでしょうか。
医療や原子力関係の仕事に従事していない、一般の日本人が1年に受ける自然放射線による被ばく量は平均2.4mSv。
そして日本では放射線機器が普及しており、加えて健康保険制度により安価な医療を受けることができることから、
放射線診断など医療による被ばく量は世界一多く、国民の平均で年間約2.3mSvを受けています。

つまり、自然放射線による被ばくとに医療被ばくを加えると、日本人1人の平均被ばく量は年間約5mSv(5000μSv)弱となります。
このことから、低線量の放射線被ばくは日常的なものだといえます。
しかし放射線は被ばくしないことにこしたことはありません。

「被ばくしないための放射線防護、3原則とは」
では、被ばくしないための放射線防護には、どんなテクニックがあるでしょうか。

これには3原則があります。それが(1)距離(2)時間(3)遮蔽(しゃへい)です。

(1)距離:放射性物質からできるだけ離れること

(2)時間:時間はそのまま加算される

  つまり同地点に1時間滞在した状態に対し、1日滞在した状態は、24倍の被ばく量となります。

(3)遮蔽:密度の高い建材で造られた室内に退避すること

3原則に従って放射線防護をしたとしても、「緊急被ばく医療」(放射線事故・災害により被ばくした人または放射性物質による汚染を伴う傷病者に対する医療のこと/出典:緊急被ばく医療研修のホームページ)を必要とする状況になった場合は?

「緊急被ばく医療」の対応マニュアルには、放射線防護剤(内容はヨード剤)の配布が記載されている。放射線に含まれる「放射性ヨード」の中の「ヨウ素」は、甲状腺に取り込まれる。これを事前にヨウ素を摂取し、甲状腺のヨウ素量を飽和させることによって、放射性ヨウ素が環境中にあっても、甲状腺に取り込まれないようにする対応策となるわけだ。ところが、それだけではほかの放射性核種(放射性同位元素/ラジオアイソトープ/略称RI)による被ばくを防ぐことはできない。それならば、ヨードを多く含む昆布やワカメなどの食品を食べながら、風上へと避難することが現実的となる。

では3原則を守って避難したとして、放射線被ばく者に、その後はどう対応策を考えればよいのでしょうか。

対応は被ばく線量を正確に把握することから
まずは、正確な被ばく線量を把握することが重要になります。
なにしろ被ばく線量によって対応が大幅に異なるのです。

そして放射線が人体に与える影響は被ばくの時間的・空間的(被ばく範囲)な違いも考慮することも重要です。
(1)急性被ばくか慢性被ばくか(2)全身被ばくか局所被ばくか (3)外部被ばくか内部被ばくか、によっても、人体への影響は異なるわけです。

(1)急性被ばくか慢性被ばくか(時間的違い)

(1)の時間的な問題としては、例えば日本酒1升を一晩で飲むのと、毎日晩酌で少量づつ1カ月間で飲むのとでは人体への影響が異なるということを思い浮かべてもらいたい。放射線の影響も同様のものと考えられる。

(2)全身被ばくか局所被ばくか

(2)の問題について、胸部単純写真の撮影を例に挙げてみますと、厳密には全身被ばくの場合と同一ではありませんが、胸部単純写真の撮影では1回につき0.06mSv(60μSv)、胃のバリウム検査では0.6mSv(600μSv/この検査では実際には透視による放射線被曝も加えると2~3mSv以上となる)、胸部CT検査では6mSv(6000μSv)の局所被ばくを受けます。

なお今回の被ばくは亜急性(急性と慢性の中間。通常1カ月~長くても3カ月程度の経過)の全身被ばくではあるが、極めて低線量であると考えられることから問題となることはありません。
わかりやすい例として、肺癌の標準的な放射線治療で考えてみると、この治療では、最低60Gy程度の放射線を6週間の期間に30回に分割して照射する。この線量はX線の場合は、Gy=Svと考えると6万mSvの線量となる。ただし限局した肺の局所への照射であるため、生命に危険を及ぼす線量とはなりません。

(3)外部被ばくか内部被ばくか

被ばく線量とは外部被ばくと内部被ばくを合算したものです。
全身の急性被ばく時の人体への影響は、250mSv(25万μSv)以下では臨床的な症状は出現せず、500mSvで白血球数の一時的な減少が見られるとされる。1000mSv(1Sv)以上で吐き気や全身倦怠感が見られると言われている。さらに5000mSvでは死亡リスクが高くなり、8000mSvでは全員死亡するとされている。こうした医学的な見地から見れば、現状の避難している方の健康被害は深刻なものではない。

全身被ばくした場合の人体への影響
では、全身被ばくした場合の人体への影響はどう考えればよいのでしょうか。
これは「急性期のものと晩発性のもの」「確率的影響か確定的影響か」に分けて考えることができます。

急性期の致命的死因となるのは「中枢神経死」「腸管死」「骨髄死」です。

急性期のものと晩発性のもの
ものすごく大量に被ばくした時(15~20Gy程度)では、中枢神経が侵されて、痙攣や意識障害が生じ、数時間で死亡する「中枢神経死」となる。しかしこのような被ばくは今回は報告はされていません。また5Gy以上を被ばくした場合は、腸管死と骨髄死が問題となります。
なぜか。被ばくにより、人体の中で最初に影響を受けるのは、細胞分裂が盛んな腸粘膜で、これが数時間で侵され重傷の嘔吐や下痢症状を呈し、脱水と体液バランスを崩す。こうして腸管で水分の吸収障害や電解質バランスの異常が起こり命が脅かされる。被ばく後1週間前後では、これが死因となることが多く、腸管の障害を原因とした「腸管死」となります。
その後は1カ月前後に生じる事態として骨髄機能が障害される。白血球や血小板などの血球成分の新生が妨げられ、血液に異常をきたし免疫不全や出血による骨髄機能の障害による「骨髄死」が増えるのです。この時期に、骨髄移植などが試みられるのはこのためです。
急性期の影響の後に、数カ月してから肺線維症や腎機能障害などが亜急性期に生じる。たとえば白内障、胎児への影響、白血病、がんなどは、晩発性の影響です。

確率的影響か確定的影響か
ある一定程度以上の被ばくにより、被ばく者全員に影響を及ぼすことが確定的な影響です。
しかしこの確率的な影響まで、現段階では考える必要はありません。
放射線量は極微量で安全なのに、室内退避場所で換気もせずに煙草を吸っているほうがよほど肺癌発生の確率は高くなります。
放射線をあなどるな! 放射線を無知に恐れるな!ですね。

「大丈夫?」っていうと・・・。

「大丈夫?」っていうと、
「大丈夫」っていう。

「漏れてない?」っていうと、
「漏れてない」っていう。

「安全?」っていうと、
「安全」っていう。

そうして、あとでこわくなって、

「でも本当はちょっと漏れてる?」っていうと、
「ちょっと漏れてる」っていう。

こだまでしょうか。
いいえ、枝野です。

其のHPでのブログ・・・思わず苦笑!!!!!!!

買い占めに走らないでください!!

今日スーパーへ行ったら、棚に商品がありません。おまけにお米もありません。一部の人(特に65歳以上?)が危機感に襲われ買い占めに走っているようです。被災地の方は暖もとれずに、ひもじい思いをしていると思うと本当に申し訳なく思っています。
これを見ている皆さんは、そんなことをしないで下さい。
計画停電も、たった3時間です。あっという間に、すぐ電気がきます。懐中電灯や乾電池の買いだめはいりません!そんなことをするなら、被災地へ送ってあげて下さい!
自分だけはいい思いをしないで、被災地の方と共に痛みを分かち合いましょう!

小児科医のturubabaさんから

子供さんのいるご家庭はニュースを見るのはやめましょう。

子供たちの顔を見ていてあげて、話しかけてあげてください。
今は大丈夫でも、後で熱を出したりおなかを壊したりするかもしれません、ストレスで。
今日の診療中、ストレスを抱えている子供たちが多数受診。
皆さん、テレビを消しましょう。
せめて、楽しい番組の録画を見せてあげましょう。
みんな目がきょろきょろして落ち着きがなかったです。
診察中、個室でお気に入りの映像を楽しめるのでみんな目がきらきらしていました。
うれしそうにビデオを見ていました。

診察終わっても帰りたがらない子が多いのです。
おうちでは楽しいビデオを見せてあげましょう。
情報はインターネットでどうぞ。
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親野知可等さんのメルマガから
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私も同感です。

地震、津波、原発に関するテレビ番組をこの数日間
ずっと見ていたご家庭も多いと思います。

それによって、かなりのストレスを溜め込んでいる子どもも多いと思われます。
子どもたちへのご配慮をお願いいたします。

災害や事故で命をなくしたり家族をなくしたりすることについて、
不安を感じている子も多いと思います。

そういうことを話してきたら、まずは「こわいんだね。心配なんだね」と共感的に
たっぷり聞いてあげてください。

その後で、「だいじょうぶだよ」と言って安心させてあげるといいと思います。
抱きしめてあげるのもいいでしょう。

とにかく、安心して安らかに過ごせるようにしてあげてください。
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おとなでも繰り返し繰り返しこの惨状を見ていると
胸の痛い思いです。
どうか子どもさんたちにも配慮をしてあげてください。